The 21st Century COE Program | ||
Center of Excellence for Research and Education on Complex Functional Mechanical Systems |
日時: | 2005年09月16日(金) 15:00〜 |
---|---|
場所: | 京都大学 吉田キャンパス 工学部8号館 3F 共同5講義室 |
講演者: | 津田 一郎 教授 (北海道大学大学院理学研究科 数学専攻) |
講演題目: | エピソード記憶形成の数学モデル |
講演要旨: | エピソード記憶の形成過程に関するいくつかの仮定にもとづき、海馬と中隔の相互作用の神経回路モデルを提案する。海馬CA3の連想記憶回路は介在ニューロンによって抑制され、その介在ニューロンを中隔核の抑制性ニューロンがシータリズムと同期して脱抑制するという単純な作用がエピソードの再生産の本質であると考えて、CA3のモデルを構築した。また、CA1はCA3と比較するとそのリカレントネットの不在からLTPを起こさない限り安定な回路であると考えられるが、それが縮小型の力学を形成するか、拡大型の力学を形成するかはシステムパラメーターに依存する。また、CA1にも抑制性の介在ニューロンが存在し、それを中隔の抑制性ニューロンがシータリズムに同期して脱抑制する、という仮定のもとにCA1ダイナミックスの数学モデルを構築した。我々は、CA3からの出力がCA1に入力することで、CA1の内部ダイナミックスが縮小型であるときには、CA3の時系列情報がCA1の状態空間に形成されたカントール集合上に履歴と対応した空間階層を伴って符号化され得ることを示した。講演では、モデルの詳細と、これをエピソード記憶形成と結びつけるために必要な時間の縮約についての仮説を述べ、議論の材料としたい。 |
京都大学大学院 | 工学研究科 | 機械理工学専攻 | マイクロエンジニアリング専攻 | 航空宇宙工学専攻 |
情報学研究科 | 複雑系科学専攻 | |||
京都大学 | 国際融合創造センター | |||
拠点リーダー | 土屋和雄(工学研究科・航空宇宙工学専攻) |