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研究会のお知らせ > 社会連携講演会(2003/11/22) > フェアレディZ復活ストーリー |
日産自動車(株) 湯川伸次郎 氏
フェアレディZは1969年に誕生し,4代目までで,世界中で144万台の販売を記録した世界屈指の量販スポーツカーである.そして先行開発の名を借りた新型Zの開発は1995年にスタートし,1996年秋,先行車が出来上がった.試乗会での感触はよかったが,このころドイツのスポーツカーが市場に参入し,マーケットが活性化したため,4気筒ではだめだと販売を中止することになる.しかし強力なサポーターの直訴もあり,開発は続行した.
1999年3月,ゴーンが最高執行役員として日産にやってきた.そしてその年の秋,NRP(日産リバイバルプラン−黒字転換,営業利益率4.5%以上,負債額半減)が発表された.そのころ正式に新型Zの開発が承認されたが,その経営に果たすべき役割は世界中で日産のBIを回復することとショールームトラフィックを増やすことであり,大きな重責を担うこととなる.また,NRPを達成するため,従来一人で行っていた事をProgram Directors,Chief Marketing Managers,Chief Product Specialists,Chief Vehicle Engineersに4分割することで強固な組織体制が実現した.そして2001年にはゴーンの強い意志でプロトタイプを披露することになり,その後公道を走ることが開発に役立った.2002年7月30日の新型Z発表会では,ゴーンは「日産の魂の復活」と宣言した.
新型Zを見て,乗って,日産を感じていただけるものにしたい,また,技術レベルの底上げができる,社内のモチベーションが高まる,という風に日産復活のシンボルとしてZを復活させるために,新型Zの守るべきものは,(1)Z-ness;Zの持つDNAであるデザインと性能とのベストバランスの継承,(2)Newness;復活の為に一流の走りと高品質を提案,(3)High Value;High PerformanceとGood DesignをAffordable Priceで提供するというマーケットポジショニング,である.そして商品コンセプトとして,新型Zでは当初よりターゲットカスタマー,Unique Selling Point (High Performance,Design,High-Value),そして「Lust then Love」というコンセプトワードを設定した.その上で新型Zがめざすべきものは,世界の道で世界の人々に愛される21世紀のグローバルスポーツカーである.だから真のライバルは世界のスポーツカーであり,性能にかかわるスペックは世界同一とし,3つのUSPは世界共通とした.そしてチャレンジング・スピリットを醸成するために,エンジニアの闘争心,挑戦心を煽り,わかりやすく,参画意欲の持てるような3つの目標(1)日産のグローバルスポーツカーとして,BI向上に貢献する,(2)Z-nessとNewnessの融合,(3)NRPのシンボルとしてZを復活させる,を設定した.
結果として,新型Zは数々の賞を受賞し,Z効果で株価も上昇した.販売台数も日本では月に1500台,そして北米では発売以降毎月3500台のトップシェアを誇っている. 新型フェアレディZが目指したもの,提案したものは,Zファンへの期待に応える,Zブランドの復活,Z-DNAの継承,Z-nessとNewnessの融合,そしてLust then Loveであり,スペックだけの商品ではお客様に感動を与えられない,チームが一丸となれるかどうかで成否が決まる,健全な商品こそが長持ちする,ということである.
京都大学大学院 | 工学研究科 | 機械工学専攻 | 機械物理工学専攻 | 精密工学専攻 | 航空宇宙工学専攻 |
情報学研究科 | 複雑系科学専攻 | ||||
京都大学 | 国際融合創造センター | ||||
拠点リーダー | 土屋和雄(工学研究科・航空宇宙工学専攻) | ||||
拠点事務局 | 林 紀夫 |
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